スパイ・ハイスクール
◆
「とにかく2人共、その山口さんの不可思議な行動の謎が解明されるまで、絶対に油断するなよ」
「......へい」
「勿論だよ」
あの後もあーだこーだ言い合っていた私達は、奏がイライラしながら言った「さぁ、本題に戻ろうか」という1言で黙ることになった。午後も授業があるから、ここで果てる訳にはいかない。
何が果てるか、って?
体・精神。エトセトラ。そりゃもう全てだよ。あの奏ならやりかねない。
「元はと言えば、奏が私のことを色々と言ったのが始まりじゃんか......」
「棗、何か言ったか?聞こえなかった」
「いえいえ、何でもございませんっっ!」
「......よろしい。本題に戻ろうか」
あー怖い。黒縁眼鏡の後ろの黒色の目が怖い。殺気放っちゃってるし。
ーー本題。これを話すには、さっき聞いた情報をまとめなければならないだろう。
双子が調べてきた情報をおおまかにまとめると、次の3つになる。