スパイ・ハイスクール




「とにかく2人共、その山口さんの不可思議な行動の謎が解明されるまで、絶対に油断するなよ」

「......へい」

「勿論だよ」




あの後もあーだこーだ言い合っていた私達は、奏がイライラしながら言った「さぁ、本題に戻ろうか」という1言で黙ることになった。午後も授業があるから、ここで果てる訳にはいかない。

何が果てるか、って?

体・精神。エトセトラ。そりゃもう全てだよ。あの奏ならやりかねない。


「元はと言えば、奏が私のことを色々と言ったのが始まりじゃんか......」

「棗、何か言ったか?聞こえなかった」

「いえいえ、何でもございませんっっ!」

「......よろしい。本題に戻ろうか」


あー怖い。黒縁眼鏡の後ろの黒色の目が怖い。殺気放っちゃってるし。



ーー本題。これを話すには、さっき聞いた情報をまとめなければならないだろう。

双子が調べてきた情報をおおまかにまとめると、次の3つになる。

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