スパイ・ハイスクール
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いつも上から目線で私をおちょくる徳佐に、怖いものなんてあるのだろうか。
「なぁ、徳佐に怖いものってある?」
「......いきなり何?」
「いや、山口さんが何かに怯えてるって話だったじゃん?だから、徳佐も何かに怯えることってあるのかなーって思って」
いつも通り本部へ向かう道中。いつもなら言い争いをしているところだが、今日は思い切って、徳佐に質問を投げかけてみた。案の定、徳佐は「何?」と馬鹿にした表情を浮かべているが。
「なぁ、ないのー?」
「棗、そんなに知りたいの?」