スパイ・ハイスクール
しかしながら、前述した通り根本的なものは一緒。だから、親しいスパイと情報屋の間では提携、つまりタッグを組んでいる者達も多くいる。
ーー俺達黒猫と、咲夜のように。
◆
「よぉ、奏。頼まれてた情報、掴んできてやったぞー?感謝しろや」
「あぁ、ありがとう。少し厄介な依頼が入ってね。困ってたんだ」
つい昨日、連絡を入れたというのにもう咲夜が本部へやって来た。相変わらずコイツの情報屋としての腕は凄い。
......が、しかし。
「俺は情報を掴んできて欲しい、とは言ったけど、うちの従業員を掴んで来い、とは言ってないぞ?」
「え、そーなの?途中で2人に会っちゃってさー。ついでに連れてきちまった」
「え、そーなの?って頭おかしいでしょ!情報と人、間違えるとかヤバイですよ!てか、絶対確信犯でしょ、確信犯!」
いつものごとく、ギャーギャーと騒ぐ棗が、がっちりと咲夜に掴まれていた。
「棗ー、ちょっとは黙りなよ」
「お前は掴まれてないんだからいいんだよ、徳佐ぁ!」