スパイ・ハイスクール

しかしながら、前述した通り根本的なものは一緒。だから、親しいスパイと情報屋の間では提携、つまりタッグを組んでいる者達も多くいる。

ーー俺達黒猫と、咲夜のように。





「よぉ、奏。頼まれてた情報、掴んできてやったぞー?感謝しろや」

「あぁ、ありがとう。少し厄介な依頼が入ってね。困ってたんだ」


つい昨日、連絡を入れたというのにもう咲夜が本部へやって来た。相変わらずコイツの情報屋としての腕は凄い。

......が、しかし。


「俺は情報を掴んできて欲しい、とは言ったけど、うちの従業員を掴んで来い、とは言ってないぞ?」

「え、そーなの?途中で2人に会っちゃってさー。ついでに連れてきちまった」

「え、そーなの?って頭おかしいでしょ!情報と人、間違えるとかヤバイですよ!てか、絶対確信犯でしょ、確信犯!」


いつものごとく、ギャーギャーと騒ぐ棗が、がっちりと咲夜に掴まれていた。


「棗ー、ちょっとは黙りなよ」

「お前は掴まれてないんだからいいんだよ、徳佐ぁ!」
< 64 / 165 >

この作品をシェア

pagetop