スパイ・ハイスクール

「は?なんで?」

「乱暴に置いたでしょ、さっき。まぁ、いらいらしてたのは分かるんだけど、ずっとチョークさん悲鳴をあげてるし」


ああ、そういうことか。徳佐は

「聞こえる」

から。








「そんなに酷いのか?」


周りには聞こえない声のボリュームで徳佐に尋ねる。


「痛い、痛い、って言ってたよ。それに、その声聞いて周りの物達も『何様のつもりよ、あの子!』って怒ってたよ」

「うわあ、めんどくさ。って痛!ちょ、ちょっと、痛!叩かないで、叩かないでっ」

「チョークの気持ちになって考えな。あと、その悲鳴を聞き続ける俺の気持ちになって考えろ」

「......っ分かったよ」


不本意ではあるけれど、バシバシと豪快に私の頭を叩いてくる徳佐を止めるため、私は仕方なく徳佐に従った。もう1度言う、不本意だけど。








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