スパイ・ハイスクール
うーん、困った。
山口さんの奇怪な行動を読み解く鍵が見つからないことには動けない。依頼人の依頼に応えることが出来ない。
しかしながら咲夜と同様、こちらにも仕事に対しての誇りがあるし、依頼人への責任もあるわけで。
このような奇怪な件は初めてだが、こなさねば依頼人に合わす顔が無い。
なんとか、なんとか答えを導き出さないと......。
不安と焦りを感じながらも、読み終われば次の紙に目を通すという機械的な動きを、俺はただただ繰り返していった。
「!」
そんな時、突如として、俺の視界にある語句が入った。最後の紙だ。
「あ、言い忘れてた。最後の紙なんだけど、関係なさそうなことも一応まとめておいたからー。たいした情報じゃねーけど勘弁してやー」
(! まさか、しかし、)
確かに、これは俺の調べてくれと言った情報に直接関係ある訳ではない。しかし......。
慌てて真希に確認をとる。
「真希、本当に山口さんは手で顔を覆っていたんだな」
「うん。あ、でも、特に目の当たりだったような気が......」
ほー、なるほどねぇ。