スパイ・ハイスクール
◆
あのとき......。
あの時、私が助けにいけば
警察に連絡すれば
お母さんは助かったのに。
『来ちゃ駄目よ!絶対に来てはいけない!』
ふいに頭に流れた言葉。
そしてとたんに頭に流れ出す、映像。
『黙っていりゃ、いいもんを』
ずぶり、と。
赤、あか、アカ。
お母さんがどんどん、どんどん
真っ赤に染まっていく。
「ごめ.....なさ......」
私が、お母さんを、殺したんだ。