スパイ・ハイスクール


「どうした徳佐?」

「............っえ、なんか言った?」


びっくりしたような顔をする徳佐。いつも余裕で上から目線の徳佐がこんな顔をするなんて。

微妙にレアだ、なんて思ったり。


「や、だから、奏が作戦説明するって。考えごともいいけど作戦くらい聞けよ」

「あ、そう......」



そう、とは言ったものの、やっぱり徳佐は心ここにあらず、といった様子だった。

が、奏はかまわず話し出す。


「まず、みんなも分かるように今回のキーは山口さんだ」


うんうんとうなずく3人と微妙にうなずく徳佐。


「だから、まず、この山口さんを徳佐と棗の2人で引き止めて欲しい」

「......どゆこと?」

「つまり、キーである山口さんに話を聞いて、そこで問題を解決するんでしょう?」

「そういうこと。今回、俺達が出来るのはそこまでだ。山口さんから語られることが全てなんだ」


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