スパイ・ハイスクール




「ちょ、何なの?」

いきなり連れてこられた私は不満たらたら。

「チョークさんから、“あなたがいちいち通訳するのも面倒だから伝えておいて”って言われた伝言があるんだよ。今から言うからちゃんと聞きなよ。

これからは物に八つ当たりするのを止めて欲しい。それはガキがする事よ。だって。それはガキがする事よ。だって。重要だから2回言ったよ。まあ、棗の中身は五歳児だから、仕方ないか」

「ちょっと待て。何で勝手に納得してんだよ。しかも何2回も言ってくれちゃってんの」

「……棗がガキだからに決まってんじゃん」

「いつから決まったんだよ、オイコラ!」

「サーネー。ワカンナイ!」


本当に、いつ決まったんだよ。てか誰が決めたんだよ。


「で、根本的なイライラの原因である原先生は今、なにしてんだろ
うね?」

「今、2階廊下を歩いてるよ」

「......随分と能力を使えるようになったんだね。何か言ってる?」

「えーと、ちょっと待って」


なんだか上から目線で馬鹿にされた気がするが、とりあえずそこは気にしないでおこう。徳佐が上から目線なのはいつものことだから。


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