スパイ・ハイスクール
「さて、昨日の夜の天気を覚えている人はいるか?」
「昨日って......。私と純希がアパートにいたころってこと?」
「そうだ」
いきなり訳の分からない質問をされて、?マークをうかべる面々。
急にどうしたんだろう。
「天気といえばぁ......。あ、昨日はお月様が綺麗だったぁ!」
「......そうだわ!。確か満月じゃなかったかしら?」
「あ......!」
双子の言葉で思い出す。確かに昨日の帰り道、満月が綺麗だった。
「そういえば棗、今日の化学の時間、先生も“満月が綺麗だったネタ”から授業を開始したよね」
いつの間にか復活していた徳佐も口を挟む。
「(いつの間に復活?)......あ、あぁ、そうそう。いつもはあんま喋んないくせに、今日は喋りまくってた」
全員が話し終わると、再び視線は奏に注がれる。
「......みんな思い出したな?そう、昨日は満月だった。そして今夜の天気予報は」