立夏物語 【キセコン】
「なんだよ、あんなに楽しみにしてたのに。俺が瀕死の重傷なのを押してこうやって付き合ってるのに面白くないって言うのか?」


秀介は東京の大学で四年間勉強して地元にはその間一度も戻って来なかった。


限りある青春を謳歌するんだとかで、休み返上で四年間、遊び倒したのだ。


そして今年地元に戻って来て就職し四年ぶりに二人っきりのお祭りとなったのだが…


その事で、まことは少しは楽しいかと思ったのだが、現実はそうでもなかった。


「そう言えば…」


「ん?」


「あの、楠は未だ有るのか?なんか建物拡張するとかで、切るとか切らないとか言ってただろ」
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