立夏物語 【キセコン】
Ⅲ】祭りの残照
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人波をすり抜けて、まことは祭り囃子が遠くに聞こえる神社裏の楠の幹に立った。
この木には思い出が有る。
まことと秀介は幼馴染で子供の頃、夏休みと言えば、この境内で日が暮れるまで遊んだものだった。
秀介は蛇が嫌いだ。
だから、まことは境内で蛇を見つけてはそれを捕まえて、秀介を追いかけまわし、彼の鼻先にぶら下げては脅かして見せた物だった。
人波をすり抜けて、まことは祭り囃子が遠くに聞こえる神社裏の楠の幹に立った。
この木には思い出が有る。
まことと秀介は幼馴染で子供の頃、夏休みと言えば、この境内で日が暮れるまで遊んだものだった。
秀介は蛇が嫌いだ。
だから、まことは境内で蛇を見つけてはそれを捕まえて、秀介を追いかけまわし、彼の鼻先にぶら下げては脅かして見せた物だった。