薬指の誘惑
「え?あ、うんと、友達と待ち合わせ」
アタシはなぜだか嘘をついた。なんとなく、彼女に嫉妬したのかもしれない。



「それにしても、マジ久々じゃん。全然変わってないな、美沙は」
無邪気にアタシに笑いかける幹也。



『ヤバいよ、その笑顔』
相変わらずの爽やかさに昔の気持ちが少し込み上げる。顔がどんどん熱くなるのがわかるほど。



「そういう幹也も変わってないじゃん!」



「そうか?ははは」



久々の出会いに、どちらも笑顔がこぼれた。
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