薬指の誘惑
レジへと向かう途中、アタシはカバンからサイフを取り出そうとした。

カバンに手を突っ込んだ時、薬指にちょっとした痛みが走った。

「痛っ」
アタシはカバンから手を抜き出すと、左手の薬指にあの星形の指輪の角が刺さり、少し血が滲んでいた。



「美沙、大丈夫?」
アタシの指に気付いた彩が心配そうな顔で覗き込んできた。



「大丈夫!早く帰ろ!」
アタシは気に止めず、時代劇のために急いだ。
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