レイチェルと私自身の決着
その球は私の顔ほどの大きさで、不自然な表現だけど猫が持つには少し大きい。
「これぞアタシの唯一にして最大の能力! 名付けて『ネコ水晶』ニャ!」
いや、唯一では無いんじゃ……?
喋ったり歌ったり、怒ったり直立二足歩行したり……。
それらを指摘すると面倒なことになるに決まっているから、私は黙っていることにした。
それだけでなく、そのネコ水晶とかいう変な球に関心が集中してしまった。
「ふふん。このネコ水晶が何なのか知りたいニャロウ。ニャツコン」
なんか時々ハラ立つかも、この猫。
「百聞は一見にしかず。これからネコ水晶を軽く使って見るニャ」
レイチェルは私の目の前にネコ水晶を置いた。