レイチェルと私自身の決着

あの人、いや、母……お母さん……は、ずっと笑っていた。

どんな時でも、ずっと。

ニコニコ、ニコニコと。

私がどんなに楽しいことや、どんなに悲しいこと……そう、文句とか、どんなことを喋っても、いつも同じような顔でニコニコと笑っていた。

そんな人だった。

私はそれが嫌だった。

いつからかわからないけど、嫌になっていったと言う方が正しいかも。

面倒だから笑ってればいい、みたいに、無機質なものに見えていた。

そういえば長い間、顔も見ていない。

会話もしていない。

最後に話したのは引きこもると決めた前の日……。

その時もニコニコ笑いながら


「そう」


とだけ言われた。

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