レイチェルと私自身の決着

少し肌寒い風が吹いた。

それはいまだうずくまっている私をなんとか立たせようとしてくれたに違いない。

私はいつの間にか呼吸が整っていたことに気付く。


「ふう……」


そして手を電柱に当てながら脚へ力を入れ、ゆっくりと、ゆっくりと立ち上がった。


「大丈夫かニャ?」


「うん、行ける。……行こう」

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