レイチェルと私自身の決着
……い、嫌。
いや、嫌……じゃない……かも。
そうした方がいいような気がする。
そうしたいような気がする。
「わかった! 迎えに行こうレイチェル!」
「今回は素直なんニャ」
「ふふん。だって私には……レイチェルがついていてくれるから!」
「ふふん。そうニャ、その意気ニャ」
少しだけレイチェルの姿がグニャッと歪んだ。
あ、私もだ。私の手とか景色もグニャグニャしてる。
外に出た時とは違う種類のグニャグニャだ。
何かあたたかい筋が頬を伝って落ちるような感触に気付いた私。
どうやら目は涙でいっぱいになっているようだ。
「私は……もう、泣かない!」
自分でも驚くほどの力強さで涙を拭い、母が働く居酒屋に向かった。