ナミダボシ
プロローグ
「♪~♪~」
今日のアタシはご機嫌だ。
軽やかな足取りでスタスタと歩く。
ようやく学校が見えて来た。
嬉しくなって小走りになってしまう。
校舎に入り階段を一段抜かしで駆け上がる。
そのまま4階まで休まず駆け上がり、上がった息を調えるため肩で息をしながらドアノブに手をかけた。
この壁の向こうに君がいるんだ。
アタシは思い切ってドアを開けた。
眩しい光がアタシの目を突き刺す。
「あ!!流雫!」
誰かがアタシの名前を呼んだ。
毎日何度も聞いてるから誰だかわかる。
アタシをここに呼んだ奴。
少し上擦った、けど嫌じゃない明るい声。
「陽、おはよ。」
ホントはもっと明るく返事したいけど緊張して笑えない。