プ リ ン ス
寸での所で佐原先輩の足を止め、パッとすぐに離してから距離をとった。




『いきなりですね……。』


「ふんっ気付いてた癖に。」


そう言った先輩は、気付いたら俺の目の前にいた。




速い!!




すぐに飛んできた拳を両手で受け止め、先輩の腕を掴んで背負い投げした。




と思ったら、先輩はすぐに体を起こして胸元から黒い物体を取り出した。




拳銃だ。




ヤクザの家だから出てくると思ったけど、高校生が持つもんじゃないだろ。




バンッ-バンッ




佐原先輩は容赦なく俺に打ってくる。




俺はなんとか全部避けられてるが、全部避けられるかわからない。




俺は銃弾を避けながら、ポケットから携帯を取り出し、要に連絡した。




プルルルル……ガチャ




《もしもし。》


『ハァハァ…要?』


《羽藍!?どうした!?》


『ハァハァ……ちょっと……ヤバイ……。』


俺は走りながら出口を探して電話する。




バンッ-バンッ




《確かにヤバそうだな……。
ちょっと待ってて。今GPSで場所を確認するから。》


『頼む…。』




バンッ-バンッ




銃声は鳴り止まない。




早くしてくれッ要!!
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