プ リ ン ス
「逃げられると思うなよ。ここら一体は俺のシマだからな!!」




バンッ-バンッ


パシュッ




『くそっ』




腕に銃弾がかすった。




カッターシャツに血が滲み、ズキズキと痛む。




『要まだか!!』


《今佐原組の敷地内にいるんだな!?》


『そうだ!!』


《そこの角を左に行って、次を右、その次を左だ!!まっすぐ行ったら出口だ!!》


『わかった!!』


《車で今そっちに向かってるから、耐えてくれ!!》


『ハァハァ……なるべく早く頼む。』


俺はそう言うと、銃弾を避けながら要の言われた通りに進み、出口が見えてきた。




出口にはいかにもヤクザにしか見えない人達が待ち伏せしていた。




「ここは通さない。
若の命令だ。」


『チッ』


羽藍は舌打ちをうち、思いっきり突っ込んでいった。




今までいろんな武道を習ってきたから、なんとか身は守れているが、相手は訓練された人達ばかり。




一筋縄ではいかない。




ドカッ


バキッ


ドゴッ




俺を押さえ付けようとする奴らを片っ端から殴って気絶させる。




なるべく傷をつけないように、一瞬で。
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