プ リ ン ス




プルルルル……ガチャッ




《鷲矢(シュウヤ)か?》


「はい。」


《様子はどうだ?》


「毎日、白龍幹部の佐原先輩が宮内に会いにきています。」


《そうか。白龍は何か他に動きはあるか?》


「今の所無いようですが、幹部が動いてるという事は、リーダーもそろそろ動くかもしれません。」


《そうか……。》


「そういえば、今日青龍リーダーがお昼に宮内を呼んだみたいです。」


《場所は?》


「食堂です。」


《俺達も行くぞ。青龍に先をとられるな。》


「わかりました。」


《引き続き監視を頼む。》


「了解。」




鷲矢は携帯を切り、廊下から教室の窓側にいる宮内藍を睨みつけた。




「絶対正体を暴いてやる……。」




携帯を握りしめ、小さく呟いた。








『……。』


今睨まれた気が……。




まぁ俺は男子から嫌われてるみたいだからその辺の男だろ。




それより、お昼に食堂か。
また勧誘の話だろうか。
何度言われても断るのに。




俺は溜め息をつきながら、本のページをめくった。






――――…
――――――…
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