プ リ ン ス
「たまたまお前を見かけたからな。ちょっと話そうと思って。」


『……。』




俺は凜城先輩の言葉を無視し、ご飯を口に持っていった。




隣の隣の席にいる、鷲矢という男から睨まれてる。




俺相当嫌われてるみたいだ。




「黒龍に入れ。」


『無理。』


「なんで入らないのか理由を聞かせてくれ。」


『……。』




なんて言おうか。




『黒龍に限らず、どこにも入る気はない。同じ学校の生徒なのに、いがみ合うのはどうかと思う。』


「……そうか。」




凜城先輩は目を瞑り、ため息を零した。




「ちょっと昔話をしようか。」


『?』




昔話?
なんでこんな時に……。




「俺らの4つ上の先輩の代に仲がよく、喧嘩の強い4人組がいたんだ…。」




凜城先輩の先輩の話か……。




「ある日その4人の中に、気の強い女の子が仲間になったんだ。」




気の強い女の子……。
詩音みたいな子かな?
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