プ リ ン ス
「4人はその女の子を好きになるのには時間はかからなかった。明るく性格のいいその子はみんなから慕われてたし、美人だったから人気もあった。」




そういう完璧な子っているんだね。
自分も人のこと言えないけど。




「ある日、4人の中の1人が女の子に告白したんだ。“好きだ。付き合ってくれ”ってね。
だけど女の子は“私強い人が好きなの。”と言ったんだ。女の子は告白されたのは1人じゃなかった。他の3人からも告白されていたんだ。」




かなりモテる子なんだな。
しかも断る理由が“強い人”って……。




「4人はみんな校内で自分が一番強いと思っていた。だけど、自分の他の3人を倒さないと、彼女と付き合えない。
そう思ったんだ。」




そこまで好きだったんだ。




「4人共彼女に夢中だったし、本気で好きだったからね。気付いたら4人はバラバラになっていた。あんなに仲がよかったのに。
そしてお互い仲間を作り、いがみ合いになっていた。4つのグループが喧嘩をするのを、女の子は遠くで笑ってたんだ。」


『え?』


「全部計画だった。自分を取り合う姿を見たいが為に彼らに近付いたんだ。」




そんな……。




「一度離れた友情は戻らない。4人はそれぞれチームを作り、最初の目的も忘れ、龍牙のトップを争った。」


『……。』


「俺達黒龍は先輩達に“なにがなんでもトップになれ。”と言われてきた。だから黒龍に誇りを持ってるし、仲間は大事だ。」


『……。』


「厄介なのは、白龍だ。ゲーム好きで汚い真似ばかりやる。」
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