プ リ ン ス
『他は?』


「紅龍は血の気が多いし、薬を使ったやつもいる。つまり狂った奴が多い。青龍は正統派だな。まぁ敵対していることには変わらないが。」




薬を使ってる?
だけどこの前屋上で会った紅龍の奴はそういう感じはしなかった。




『皆仲良くなることは無理なのか?』


「……。」




そう言うと、凜城先輩は黙ってしまった。




「どうだろうな……。」




凜城先輩の代にも色々あるのだろうか……。




「この龍牙に来るやつらは4つの中学から来てるんだけど、4つとも敵対してたからね。
俺達は北中出身だ。」




なら、仲良くなるにはかなり時間がかかるな……。




なにかきっかけがあれば……。




「凜城……。」




フと上から声が聞こえ、後ろを振り返った。




「あっ、海吏さん!!」




桜井が声を上げた。

そこには青龍リーダーがいた。




「なにしてる。」


「お前には関係無いだろ。」




黒龍と青龍のリーダーが睨みあい、一気に殺気で埋めつくされていく。




『……。』


俺はナイフとフォークを置き、口元をナプキンで拭いた。




「なに話してた。」


「お前には関係ない話だ。」




両者一歩も譲らず、睨み合いが続く。
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