プ リ ン ス
『はぁ……ご飯まずくなる。』


俺がボソッと呟いたら、青龍リーダーが凜城先輩から俺に視線を移した。




「ごめんごめん。藍に用があって来たのに、余計なものがいたからさ。」


「余計なものとは俺の事か?」


「そう聞こえたんならそうだろうね~」


「お前ふざけんなよ?誰にもの言ってんのかわかってんのか?」




2人の間には火花が散り、周りのテーブルにいた人達は避難していった。




『2人共うるさい。』


「「……。」」




羽藍が殺気を込めて呟くと、2人共黙った。




『凜城先輩、話終わったならどいてもらえない?青龍リーダーさんが話あるみたいなんで。』


「……わかった。」




凜城先輩と鷲矢という男は、青龍リーダーに一睨みすると、その場を後にした。




『で、話って?』


「あぁ、ごめんごめん。遅くなって。」


『……。』


「そういえば自己紹介してなかったよね?俺は3-E、青龍リーダーの青空海吏。よろしくね。」


『……よろしく。』


羽藍はニコニコ笑う青空先輩を探るように見ていた。




今日は青空先輩1人。
周りの青龍の仲間はいないみたいだ。



「話っていうのはね、この前うちの奴がお前の喧嘩してる姿を見たらしいんだ。」


『……。』




白龍の下っ端相手にしてる時かな?




「圧倒的な強さで、まるで狼のようだったらしいんだ。」


『……。』


「藍……お前にはうちに入って下っ端を指導してほしいんだ。」


『断る。』


俺は即答して、またナイフとフォークをもって食事を再開した。
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