プ リ ン ス
そして5分後




匠が用意してくれた車がビルの前に到着した。




救急隊員が担架を持って、男を乗せた。




男は安心したのか眠ってしまっていた。




まぁよかった。間に合って。




救急隊員は、男が乗った担架を救急車に乗せて、すぐに車を出した。




『とりあえず後片付けしてから帰るか。』


俺は要に連絡して、車で来てもらった。




『あいつらの手当てを頼む。』


「あいつら?羽藍がやったのか?」


『この格好の時は夏夜って呼んで。
誰が聞いてるかわからないし。』


「ごめんごめん。
それにしても派手にやったなー。」


要は車から救急箱を出し、紅龍の奴らを手当てした。




まだ気絶しているから、今のうちに。




要が手当てをしている間、俺は夜空に輝く満月を見ていた。




雲1つ無く、満点の星に囲まれる月。




美しい……。




俺は真ん丸の満月を瞳に焼き付け、要の運転する車に乗り込み、その場を後にした。












――――…
――――――…
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