プ リ ン ス








「ごきげんよう。」


『ごきげんよう。』


「プリンス、ごきげんよう。」


『ごきげんよう。』




皆が挨拶をしている彼女の名前は、
宮王 羽藍(クオウ ウラン)




ショートカットの金色の髪に小さな顔。切れ長なブルーの瞳の下に涙黒子。そして薄く艶のある、ちょっと開いた唇は彼女の色香を漂わす。




その口から発せられる声は、低音のアルトボイスで、クールで魅惑的。




その声に翻弄され、聞いた者は皆惚れ惚れと彼女を見つめる。




身長170cmの、女の子にとっては大きい彼女は、皆の視線の的。




容姿端麗
頭脳明晰
文武両道
品行方正




そんな彼女は、このお嬢様学校の生徒会長…そしてプリンス……。




「ごきげんよう。」


『ごきげんよう。』




今日も私はこの伝統ある私立女子校、聖リリィ女学院に登校する。
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