プ リ ン ス
女は嬌声をあげ、白ネクタイの男共は立ち上がり、一礼している。




「麻央くぅーん、これあげるぅ」


「えぇ?いいのぉ?ありがとう」ニパッ


「「「「キャーーーーッ!!!!」」」」




小さな男が、女共に笑顔を向けるとまた煩くなった。




教室内にいる白ネクタイの男共は彼に一礼している。




羽藍は眉間に皺を寄せその光景を見ていた。






「ねぇねぇ〜このクラスに宮内藍くんっているぅ?」


「藍くんなら奥の席にいるよ〜」


「ありがとう〜♪」


小さな男は女の子にお礼を言うと、真っすぐに俺のところに来た。




「はじめまして☆僕3年生の佐原麻央♪」




なんか…女の子みたいな喋り方……。




見た目は綿菓子のようなふんわりとしたベージュの髪に、150cmあるか無いかくらい小柄な女の子より可愛い男の子。




っていうかこの人先輩なの?




小学生じゃなくて?




しかもなんか甘い香りがすると思ったら、棒がついた飴を舐めてる。
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