透明人間になれる薬【BL】


だけど、ただ単に
周りを見ていない担任なだけかも。

ちょっとだけ希望を抱いてみる。


もしかすると、誰がこうでも
気が付かないだけかもしれない。



そう、思ってみた時だった。



「あれ、野宮(のみや)が居ないな?」

「また遅刻じゃないっすかー?」


担任と生徒の、そんな会話が行われる。


……やっぱり僕だけか。


知ってたけどさ、
誰の目にも映らない事なんか。



ハッ、と息を吐き出した時、
閉められていたドアが勢いよく開いた。


< 10 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop