透明人間になれる薬【BL】
「ギリギリセーフ!」
「アウトに決まってるだろ!」
……野宮だ。
怒られながらも、互いに笑って席に着く。
そして彼の胸に……僕の名前?
居たのか、僕を気に留める奴。
でも嫌われてるんだ。
そんな素振りを見せられた事は無いけど
どうせ、いつも1人で居る僕を
心の中では大爆笑して見下してるんだろう
機嫌の悪い先生にあてられて、
答えられずに居る様を馬鹿にしたり、
一番前の席なのに、各自取りに行く
配られる道具がボロかったりするのを
とろくさいと嘲笑ってるんだ。
そんなのよりは、見られない方がいい。
やっぱり僕はいらないんだ。
僕だっていらない。
ふと野宮の方を見てみると、
……目が合った?
そんなはずはないのに。