透明人間になれる薬【BL】
その後、チラチラと僕の席を見ては
毎回眉をしかめる野宮。
……いつもいる場所を見るだけで。
僕の席がある事さえも気に食わないのか。
悪かったな。
そんなに憎まれてるのに気づかなくて。
それにしても、よくこっちを向く。
時々目が合った気がして、
まさか薬の効果が切れたんじゃないかと
焦ってしまう事もあった。
そして野宮以外の人の中には、
やっぱり僕の存在なんてこれっぽっちも無いらしい。
居れば毎回あててくる教師でさえも、
いなければいないでまったく気に留めない
他の生徒なら、『休みか』位言ってるの
何度も聞いているのに。