透明人間になれる薬【BL】
放課後
そして放課後。
何故だか今日の分のプリント類を持って、
野宮は僕の家へと向かっている。
……弱ってる僕の姿を見て楽しむ気か?
中々に根性の腐った奴だ。
野宮は、高い身長に、
金に近い茶髪をウルフカットというんだろう髪型にして、
黒や赤渕の眼鏡と、コンタクトを
日替わりで付け替えている。
きっとどれも本人カッコつけてるつもり。
……確かに似合っているけれど。
日本人にしては掘りの深い方だし
見た目は、カッコいい部類なんだろう。
だけど、女子がこう言っていたのが
耳に入ってきたことがある。
『残念なイケメン』
やっぱり、性格が悪いんだ。
そんな野宮の後ろをついて歩く。
今日が曇りでよかった。
雨なら寒いし困るし、
地面が熱くても裸足じゃ歩けない。
今日は、暑くも寒くも無い。
透明人間日和だ。
……なんだそれ。