透明人間になれる薬【BL】
なにはともあれ、
家には誰も居ない方が便利だ。
なんせ僕は今、透明人間なんだから。
勝手に物が動いてたら、ホラーだ。
母さんが出かけ、やがて夜になった。
適当になんか食べよう。
鏡を見ながら食事を摂った。
何も無い所で箸が浮かび、
食物はどこかへと消えていく。
……面白いけど、気持ち悪いな。
視覚って大事だ。
自分だと解っていても、不可思議だ。
お風呂も似たような感じで、
しかし確かにある僕の体が水を弾く。
雨だったなら、やっぱり出歩けない。
……とっとと寝よう。