透明人間になれる薬【BL】
「まだ戻ってないんだね」
確実に僕の目を見て、野宮は喋る。
見えていないはずなのに。
「……どうして来たんだ?」
「ん?なんかさ、心配だったから。
昨日、何か切羽詰まった感じだったし」
何でそんな事が分かるんだ。
「分かるよ?小吹の事なら、声で」
何で分かるんだ……喋ってないのに。
怖い。
マジでストーカーか。
負の感情からの。
「……嫌いなんだったら、ほっとけよ」
「嫌い?俺が小吹を?
なにそれ、意味わかんなーい
誰が言ったの?」
言葉通りの顔で野宮は言った。