透明人間になれる薬【BL】


「……小吹はさ、どうしてそんなに
 何でもかんでも悪い方に取っちゃうの」

靴を脱いで、勝手にベッドに座られた。
つられて僕もベッドの端に腰掛ける。

「悪い方……?全部事実だろ」

そう答えると、野宮は苦笑いした。

僕がいなかろうが何も変わらない事も
野宮が僕を嫌いだという事も、
母さんが僕を気にもしない事も。

悪い方も何も無い。
正しい事を見ているだけだ。


「お母さんにも嫌われてるとか、
 そんな風に思っちゃってるんでしょ?
 あ、お母さんって呼んじゃった!」


野宮は何故だかニヤニヤしている。
それでもイケメンとか爆発しろ。


「……嫌われてるんじゃない、
 どうとも思われてないんだよ」

「うん……小吹の耳って
 ネガティブフィルターかかってるよね」

何かを納得したように彼は言う。


< 33 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop