透明人間になれる薬【BL】
「……小吹はさ、どうしてそんなに
何でもかんでも悪い方に取っちゃうの」
靴を脱いで、勝手にベッドに座られた。
つられて僕もベッドの端に腰掛ける。
「悪い方……?全部事実だろ」
そう答えると、野宮は苦笑いした。
僕がいなかろうが何も変わらない事も
野宮が僕を嫌いだという事も、
母さんが僕を気にもしない事も。
悪い方も何も無い。
正しい事を見ているだけだ。
「お母さんにも嫌われてるとか、
そんな風に思っちゃってるんでしょ?
あ、お母さんって呼んじゃった!」
野宮は何故だかニヤニヤしている。
それでもイケメンとか爆発しろ。
「……嫌われてるんじゃない、
どうとも思われてないんだよ」
「うん……小吹の耳って
ネガティブフィルターかかってるよね」
何かを納得したように彼は言う。