透明人間になれる薬【BL】
「っていうかさ、まずさ、
服脱いで丁寧に畳んで置いて、
それでどこにも行く訳無いよね」
一応隠したつもりだった衣服を、
事も無げに見つけ、指さした。
……まあ、確かにどこへも行けないけど
すぐに見つけるとかおかしくないか。
そんな事を考えていると、
「これってさ、据え膳?だよね?」
嬉しそうに笑う彼の腕に捕まった。
「探す振りした方がよかった?」
「……別に、どうでもいい」
それにしても、凄すぎる。
見えないはずなのに、
的確に触れてくるのは何故だ。
僕自身でも怪しいのに、
指の1本1本まで見えているかのようだ。
「それじゃ、いただきます」
……手を合わせて言うな!