龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「ほら、もうちょっとだけ我慢して。すぐ終わるから」

すると、志鶴は固まったように動かなくなった。

「圭吾さん」

志鶴は不満げに口を尖らせた。

「すぐ終わっちゃダメじゃない」

思いがけないダメだしに、僕はおもいっきり吹き出した。

「どうして笑うの?」

志鶴はムッとしたように言った。

「笑ってないよ」

「笑ってる」

「分かったよ。本当は笑ってる。自分がバカすぎるから笑ってるんだ」

「変なの」

志鶴はまた僕の胸に顔をつけた。

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