龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「シオン君は、若菜ちゃんだけが大好きだから。そういうのって素敵だわ」


僕だって君だけを大好きだよ。


「それにね、空回りしてちょっぴり残念なトコ、可愛いなって思うの」


ああ……典型的な『わたしが付いていないと』ってヤツだね――

まあ、それは何とかできると思うよ。

取りあえず花は、花束よりも一輪だね。

うかつだった。君に花を贈った事がないなんて……


僕は志鶴の髪をそっと撫でた。


君の望みは何でも叶えるよ。

だから僕と、

僕だけと恋をしよう。

ああ、でも、キスだけは今のままで許して。

君の言うようなもどかしいキスじゃ、欲求不満で倒れそうになる。

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