龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
第四話 魔女退治
婚約と言っても内々の事だし、婚約指輪というようなご大層な物ではなく、何かきれいな物を志鶴に贈りたくて、知り合いのジュエリーデザイナーに相談してみた。
「高校生の女の子が気軽に身に着けられるようなのがいいんだけど」
「バースデープレゼントかしら?」
「いや、単なる気まぐれですよ」
「そうね……どんな感じのお嬢さん?」
僕はちょっと考えて
「可愛らしい感じ。少し年齢より子供っぽいかな」
「あら、ひょっとして日本人形みたいな方? 長い黒髪の。先日お店の方にお姉様といらしてましたけど」
「姉と一緒だったのなら間違いなく彼女だ」
「じゃあこれですわね。絶対これ」
デザイナーはカタログをパラパラめくると、リングの写真を指差した。
リボンをかたどった細いピンクゴールドのリングにピンク色の石のハートが付いている。
「ずっとご覧になってましたよ。つけてごらんになればとお勧めしたんですけど、見ているだけだからとおっしゃって」
「この石は何です?」
「ピンクトルマリンですわ。ピンクサファイアでお作りすることも出来ますが? 地金をもっと上質の物にして」
「それだと高校生が身に着けるには高すぎませんか?」
「ゼロが一つほど。ラッピングで気軽なアクセサリー風にもできますよ。お姫様はお気づきになりませんわ」
「商売上手だな」
「羽竜本家の若様が、綺麗なお花をお屋敷に大事にしまい込んでるともっぱらの噂ですもの。大切な方にはそれなりのお品をお求めでしょう?」
さすが海千山千のビジネスウーマンだ。
感服しつつ僕はリングを注文した。
「高校生の女の子が気軽に身に着けられるようなのがいいんだけど」
「バースデープレゼントかしら?」
「いや、単なる気まぐれですよ」
「そうね……どんな感じのお嬢さん?」
僕はちょっと考えて
「可愛らしい感じ。少し年齢より子供っぽいかな」
「あら、ひょっとして日本人形みたいな方? 長い黒髪の。先日お店の方にお姉様といらしてましたけど」
「姉と一緒だったのなら間違いなく彼女だ」
「じゃあこれですわね。絶対これ」
デザイナーはカタログをパラパラめくると、リングの写真を指差した。
リボンをかたどった細いピンクゴールドのリングにピンク色の石のハートが付いている。
「ずっとご覧になってましたよ。つけてごらんになればとお勧めしたんですけど、見ているだけだからとおっしゃって」
「この石は何です?」
「ピンクトルマリンですわ。ピンクサファイアでお作りすることも出来ますが? 地金をもっと上質の物にして」
「それだと高校生が身に着けるには高すぎませんか?」
「ゼロが一つほど。ラッピングで気軽なアクセサリー風にもできますよ。お姫様はお気づきになりませんわ」
「商売上手だな」
「羽竜本家の若様が、綺麗なお花をお屋敷に大事にしまい込んでるともっぱらの噂ですもの。大切な方にはそれなりのお品をお求めでしょう?」
さすが海千山千のビジネスウーマンだ。
感服しつつ僕はリングを注文した。