龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
第七話 この佳き日に
この佳き日に

僕はうんざりしてる


一族の長なんてなるもんじゃない

おかげで自分の従兄とかつての恋人の結婚式に参列するはめに陥っている。


白無垢の優月は綺麗だ

信じられないほど綺麗だ


あの紅い唇に何度も口づけしたのに

あの白い首筋を何度も愛撫したのに


僕を裏切った不実な恋人


もう一つ信じられないのは従兄の司で、

自分の従弟と寝ていた女をよく嫁にする気になったものだ


誰もが僕を憐れんでるにちがいない
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