龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
死刑執行を待つような気分で週末を迎えた。


「圭吾さん、帰って来たら埋め合わせするから」

暗い気分の僕を誤解して志鶴が言った。


「楽しんでおいで」


なんとか笑顔で志鶴を送り出した後、僕は部屋にこもった。


家の者はその方がホッとするだろう。


志鶴がいない時は僕は気難しくなるから。


ああ、どうか志鶴が今の僕を信じてくれますように

今の僕だけ見てくれますように


志鶴は僕の手に落ちてきた天からの奇跡だ。


絶対に離したくない


どんな汚い手を使っても。


だけど、できることなら幻滅されたくないんだ

< 45 / 118 >

この作品をシェア

pagetop