龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「クラスの友達がね、告白してフラれたの。で、その理由が『貧乳だから』なんだって」


僕は片手で口元を押さえ、咳込んだ。

コーヒーを飲んでいる時じゃなくてよかった。


「中学の時にも同じ理由でフラれたって言うの」


そりゃウケ狙いの自虐ネタじゃないのか?


「で、その話と志鶴にどんな関係があるの?」


図らずも少し声が震えたが、志鶴は気がつかないようだ。


「その子と体型が似てるの」

志鶴が顔を曇らせて言う。

「私って貧乳なのかなぁ……」


ダメだ

吹きそうだ


「圭吾さんも大きい胸の方がいい?」


勘弁してくれ


耐え切れずに僕は笑い出した。
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