龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「何かおかしい? 私、真剣なのに」


分かってるよ

真剣だからおかしいんじゃないか


不満げに口をとがらしている志鶴が可愛い。


だいたい胸なんか触らせてもくれないのに、僕の好みを気にするのか?

ああ――気にしているらしい

女の子の気持ちは難しい


僕はなんとか笑いを抑えて志鶴の両肩に手をやり、そのままクルッと鏡の方を向かせた。

大きな鏡に志鶴と僕が映っている。


「鏡よ、鏡。僕の一番好きな女の子は誰?」

僕はおどけて言い

鏡の中で志鶴が微笑む

「それは私よ」

「その通り」


愛しい 僕の志鶴


僕は後ろから志鶴を抱きしめた。

それから志鶴の首筋にキスをし、両手を滑らせて胸をそっと包み込んだ。
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