龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
結局、君と二人っきりになりたくて

――ほら、僕はワガママだからね

僕の部屋に毛布を敷いて、ピクニックみたいに食事をすることにした。

カーテンを全開にすると、お誂え向きに満月が輝いている。

自分の誕生日だと気づいた君の瞳は、空の月のように真ん丸で輝いていた。

君は『誕生日だって忘れていたわ』って笑いながら、僕にバレンタインのプレゼントをくれた。

君のハートと一緒に


僕は君にハート型の金のペンダントを贈った。

僕のハートと一緒に


いつものように他愛ない話をして

君が笑って

うっとりするような笑顔を僕に向けて

僕はそれだけで幸せだった。

< 59 / 118 >

この作品をシェア

pagetop