龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
いない


家中を捜しても志鶴はいない



体中の血の気が引く思いがした。



僕の血筋の中にある龍神の力――自分のために使うことはめったにないが、仕方ない。非常事態だ。

両手を一拍打ち鳴らし、精神を集中させて志鶴を捜す。


外?――雪だぞ


そういえば、朝

志鶴は窓の外を覗いて『圭吾さん、雪!』ってはしゃいでいたっけ……


僕を待ちきれなくて外へ出たのか?


< 66 / 118 >

この作品をシェア

pagetop