龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
午後遅くに帰って来た志鶴は、客を連れて来た。


「ども」


ぶっきらぼうに僕に挨拶をしたのは、吉川航太だ。


「航太がね、わたしの住んでいるとこ見たいって」

志鶴が無邪気に言う。


そうだろうな

自分の目でしっかり確認したいはずさ


だって、上目遣いに僕を見る奴の目が言っている。

気に入らない奴――って


奴は批判的な視線で、志鶴の暮らしぶりをチェックしているようだった。


「気に入らないところはあったかい?」

志鶴に聞こえないところで、僕は聞いた。


「全部」

ぶっきらぼうな声が答える。

「でも、しーは大事にされてんだな」


「大事だからね」

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