龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「何だよ」

「いや、僕ら二人とも自力じゃないなと思って」

「そういやあそうだ」


「あら、二人で何の内緒話?」

志鶴が不思議そうに聞く。


「ちょっとした冗談さ」

僕がそう言うと、志鶴は小首を傾げて『似た者同士、話が合うのね』って言った。


似た者同士?


「過保護で口うるさいところ、そっくりよ」


僕と奴は顔を見合わせた。


「やっぱり、あんたは気に入らない奴だよ」

「お互い様だね」


僕らは作り笑いを浮かべながら、小声で言い合った。


僕らの天使は、こっちを見ながら嬉しそうな笑顔を浮かべていた。




< 87 / 118 >

この作品をシェア

pagetop