龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
僕は未練がましく、志鶴を固く抱きしめ、貪るようなキスをし続けた。


ああ、最高だ……

僕がそう思った瞬間、いきなり志鶴の体から力が抜けて、頭がガクッと後ろに落ちた。


うわっ! しまった! やり過ぎた。


失神寸前の志鶴を慌てて抱え直す。


「志鶴? 志鶴、だいじょうぶ?」


志鶴はしばらくパチパチと瞬きを繰り返してから、僕を見た。


「わたし、どうしたの?」

「気が遠くなったんだよ。ゴメン。僕が夢中になり過ぎたんだ」


すると、志鶴はパアッと笑顔になった。

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