龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
「ホント? 夢中になった?」

「ああ」


嬉しい!――声に出さない言葉が聞こえる気がした。

そして、緑の表紙の本のイメージが僕の心に浮かんだ。


本? 何の?




真夜中―――


僕はぐっすりと眠っている志鶴をベッドに残し、部屋の中を探った。


志鶴が私物を置くようになった棚で、お目当ての物を見つけた。

ファッション誌とゲームの解説本の間に隠すように、緑色のブックカバーをかけた本があった。

カバーを外して、表紙を確認した途端、僕はぶっ飛びそうになった。

< 97 / 118 >

この作品をシェア

pagetop