NEXT STEP
「ぷっ‥今日気持ちいいもんね。」



「ん。そういうことで、お休み。」


「ははっ‥お休み。」



私は上矢くんのそばにいたくて、木の下のベンチに座った。




春風が私の頬をかすめた。



そのとき、前から健一が歩いてくる。




「っ!!」



「梨音。」



私の目の前に立つ健一。



「学校ではその呼び方は止めてよ。」



「フッ。悪い。」



「…。」


どうしよう…木の上には上矢くんがいる…。




「今、話いい?」


「っ‥場所変えようよ。」



「いいじゃん、生徒いないし。」



いるんだって‥木の上に‥。




やだ、変なこと言わないでよ‥健一。
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